名取洋之助と日本工房〔1931-45〕

 -報道写真とグラフィック・デザインの青春時代-
暑いけどいってきた。平日だし、夏休みな人はもっと別なところへいくんだろうか、ほとんど人がいなかったけど。
こういう展覧会は、戦前、戦中、戦後の断絶と継続の微妙な様子が具体的に示されていておもしろい。
それからモダニズムってやつを知るためにも。
モダニズムにはいろいろな側面があって、建築関係だと「因習や土着性を排して自由や合理性をもたらすもの」というような肯定的な文脈で語られることが多いけれど、「欧米列強に伍するため、日本人はサルでも土人でもないことを奴らに示してやるんだ」という発想で実践された面も大きい。戦争が進むにつれ、一方では米英を敵視し否定しながら、モダニズム国家主義の宣伝にとりこんでいく様子がこの展覧会ではよく示されている。