竜王vsボナンザ
本日はこれのネット中継を堪能。予想よりずっと面白かった。
コンピュータ将棋の棋力はもはやアマトップレベル。トッププロにはまだ勝てないが、しかしプロからすればどう勝つかが問題。
今回の渡辺竜王はあえてボナンザに力を出させる戦形を選び正面から堂々と勝ちにいったという印象。
ブログ大和証券杯特別対局ボナンザ戦。その2(当日編) - 渡辺明ブログや今日のインタビューからわかるように渡辺竜王はかなりボナンザと対局して本日に備えた。
「あらゆる局面を試してボナンザの癖を把握した。今日も練習していた局面と同じになって、ここで無理攻めがくるぞと思っていたが、今日はそれがなく、悪手らしい悪手がほとんどなかった。自宅のパソコンと比較して5倍速いと聞いた。速いだけでこんなに強くなるとは驚いた。」
序盤、解説の森内名人が失笑する場面が多かった。
解説に困るような変な手が出たせいで、森内名人は「ここからいじめるように指せば圧勝できるが、そういうわけにもいかないでしょう」みたいなことを言っていた。
そのとき対局中の渡辺竜王も同じように考えていたのかどうか興味ぶかい。
まだボナンザをバカにしている印象の名人がよく知らずに失笑しているだけで、ボナンザをよく研究した竜王は「下手なことはできないぞ」と思っていたかもしれない。
「絶対に負けられない」という重圧を背負った竜王が微妙な局面で慎重に均衡を保ちつづけ最後はきちんとしとめたというのが見所だった。
しばらくソフトvs人間の勝負はそんな雰囲気のなかで行われるのかもしれない。
渡辺竜王が一番それを実感したのではないか。
できるだけはやく、まずはそのなかでソフトが勝ってほしい。本当の勝負はそこからだ。人間側が容赦なくソフトの弱点をつくようになり、それの対策を考える。そうしてもっと強くなる。