住環境整備

住環境整備 街直しの理論と実践
住宅問題について、その歴史、現代の事例などを広く解説した教科書的な本。
ちなみに、本書の索引には、コピペ住宅という言葉はでてこない。
ただし、ありきたりの教科書ではなく、著者の主張がはっきり打ち出されていておもしろい。
住環境整備という言葉にはっきりと定義を与えている。

序文に本書の立場が明示されているのでちょっとメモしておこう。

住環境整備とは
 居住生活にとって不十分な住宅と周辺環境を改善すること
問題意識
 日本には不十分な水準の住環境(負の遺産)が多い。それを解消しなければならない。
費用面
 住環境 = 個人が費用を負担する住宅とその周辺環境
 住環境整備 = 公共的資金の投入により改善する公共事業
原因と責任
 地主、開発者のみならず、国、地方自治体が負の遺産を形成してきた責任を負う
 住民にも責任がある。購入時に水準を見抜けなかったこと、維持管理を怠っていること
 街をなおすことは住民の権利であり責任である
実施主体
 国と地方自治体が先頭にたつべきである
土地の利用密度
 高める。道路や公園など公共的空間を確保し、住宅戸数を確保しながら住宅間の間隔を広げることを目指すこと。
まちづくりとは違う
 まちづくりはソフトである。住環境整備はハードであり、期限を切った公共事業であるべき。