[book]シリーズ都市・建築・歴史
本屋でぱらぱら立ち読み。欲しいがちと高くてあきらめ。
図書館にリクエストを出してみよう。日本住居史を読んだときのガッカリ感を解消するためにも。
通常の建築史は建てられたものの解説に終わることが多い。が、それだけではつまらない。
歴史学というものは現代の問題意識の過去への投影であるわけで。
現代の「都市とは」「美しい景観とは」というような問題意識をもって歴史を記述するとどうなるか、という意欲的な試みが本シリーズだ。
建築物にはすくなくとも、発注する人、設計する人、つくる人、使う人というのがいるはず。(歴史上、それらがどのように分離していったのかというだけでも興味深いテーマだと思う。)
そういう役割を担った人々の相互作用の結果として建築がある。その相互作用の変遷を記述した歴史書が読みたいし、住居史にもそれを期待してしまう。
版元のサイトから目次が読めるので、興味深い章を抜き出してみると。

記念的建造物の成立 (シリーズ都市・建築・歴史 1)
5 建築技術の多様性――先史・古代における木の建築をつくる技術の歴史(渡辺 晶)
古代社会の崩壊 (シリーズ都市・建築・歴史 2)
6 古代の建築技法の変遷と終焉(村田健一)
中世的空間と儀礼 (シリーズ 都市・建築・歴史 3)
序 中世的空間の形成(山岸常人)
中世の文化と場 (シリーズ 都市・建築・歴史 4)
1 中世の施主と大工(後藤 治)
近世都市の成立 (シリーズ 都市・建築・歴史 5)
3 近世都市と大工組織――大工頭中井家と京・大坂(谷 直樹)
5 近世町家の成立過程――市・宿の展開と複合的居住(伊藤裕久)
都市文化の成熟 (シリーズ 都市・建築・歴史 6)
6 建築教育と様式論争(羽生修二)
近代とは何か (シリーズ 都市・建築・歴史 7)
7 近代大阪の都市地主(中嶋節子)
近代化の波及 (シリーズ 都市・建築・歴史 8)
3 職人と近代(初田 亨)
4 建築を趣味とする人びと(熊倉功夫
材料・生産の近代 (シリーズ 都市・建築・歴史 9)
6 デザインの誕生――「工芸」への批判的距離(田所辰之助

というかんじになる。これで一冊にしてくれたらなあ。
ていうか、章ごとにバラ売りしてくれないかな。